貸し事務所の退去をすることになった時、もっとも重要なことは何でしょう。それは、退去時にかかる費用の中でも最高の金額となることが多い、原状回復費用についてです。貸し店舗の場合は、居抜き物件としてもそれなりに需要が見込める可能性があることから、不要になることもあります。個人住居の場合は、かかったとしても、よほど酷い状況でない限りは数万円で済む範囲です。
しかし、貸し事務所の場合、この原状回復費用が莫大になることが多いのです。貸し事務所は、ほとんどが借りた当時と元通りの状態にして返還するよう要求されます。内壁の張替や補修をほぼ全体的に行うこととなると、相当な金額になります。契約時に保証金を徴収されていた場合は、保証金から原状回復費用が差し引かれた分が返還されますが、この費用によってほとんど残らず、僅かな金額しか返ってこないこともあります。
保証金の金額は多少の差あれど、賃料の12カ月分前後が通常ですので、基本的に数百万円かかってしまうものとみておいたほうがよいでしょう。また、保証金から原状回復費用を差し引いた分が比較的多く余るという場合も、保証金の返還はすぐには行われず、暫く期間が開いてしまうこともあるため、退去後の即収入として期待することは危険です。貸し事務所の契約時に、保証金が不要または低額であることを売りにしている物件がありますが、これらの物件はつまり、退去する時点で高額な請求がくるものと考えておきましょう。